第1回 なぜ簿記が必要なの?

ここに来られた方は、おそらくこれから経理の仕事を目指す方か、仕事について間もない方、はたまた勉強中の学生さんでしょうか?
このサイトでは、どちらかと言うと検定試験向けの内容ではなく、実務的な内容で少しずつ進めて行きたいと思います。

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さて、個人事業にしろ、会社にしろ事業の状態を把握したり税金の申告をする為に、取引を記録していかなければなりません。
いわゆる「どんぶり勘定」では、きちんとした経営ができません。
例えば、ケーキ屋さんがケーキの材料として100個で10,000円のリンゴを、果物店から現金で仕入れたとします。
この様な取引を、ルールに従って記録していくのが簿記なのです。
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現金で買ったから、現金が10,000円無くなります。
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その代わり、10,000円分のリンゴが手元に残ります。
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これを簿記では
〇年〇月〇日 仕入10,000/ 現金10,000 〇〇商店からリンゴ100個
の様に記録していきます。

事業で発生する全ての取引を上記の様に記録することで、一定期間でいくら儲かったのか損をしたのか、今どれだけの財産があるのか(資産や借金の残高)が把握できる訳です。

 

上で書いた記録を仕訳といい、
/の左側を借方、右側を貸方と呼びます。
そして、左右の金額が一致していますが、この方式を複式簿記といいます

これから色々と名称が出てきますが、それはおいおいやりながら覚えればいいです。
ただ貸方借方はよく説明に使いますし間違えやすいので、とりあえず理屈抜きにこうだと覚えてしまいましょう。
(左側)借方 / 貸方(右側)

複式簿記に対して、貸方借方を使わず収入や費用だけを記録する単式簿記と言うのもあります。
家計簿みたいな感じですかね。
レシートを見て 2月1日 スーパー〇〇 野菜 500円
の様な記録方法です。

上のリンゴの仕入だと、仕入10,000円だけを記録します。
ですが、その方法だと常に現金と連動しませんよね。
なぜ連動させる必要が有るのかは、財布の中身と家計簿の残高を常に確認してけば、
「あれ?現金が足りないぞ!」
「何を買ったんだっけ?」
と思い出すことができて、記録が抜け落ちていかないからです。
同じようにお店のレジの残高と、現金の帳簿残高が合っていれば現金でやり取りする取引は全て記録されていきます。
故意に抜かない限りですが(-。-)

まだちょっと難しいかもしれませんが、借方と貸方の合計金額を合わせて全ての取引を仕訳していけば、自動的に漏れなく帳簿を作成していける仕組みが腹式簿記です。

ちょっと横道に逸れますが、何年か前に個人が納めた年金の残高や納付済み期間が分からなくなっていて大騒ぎになりましたよね。
個人が支払った年金がそのまま収入として処理されている仕組みがおかしいのかな?
支払った年金は、一旦預かりとして個人ごとに管理し年金として支給した分はそれを取り崩し、不足する分を税金や運用利益で補てんする様な仕組みなら、違うところにいっぱい使われてこんなに不足をすることは無かったような・・・
これ調査のために平成25年までの4年間で発送した文書費用だけで312億円超です。
凄いですね。
行政も企業と同じ会計方法をとる方がいいんじゃないですかね。
同レベル以上の仕事を、少ない予算でできたらボーナスとかね。私なら、頑張るけどなぁ~。
Oneisan007

 

大変に横道に逸れましたが、なので複式簿記できちんと全ての取引を記録しておく事が、事業を行う上では大変重要になってきます。
会社の最重要な部分を担っているのが経理の仕事なのです。

Oneisan014

次号から、少しずつ勉強していきましょう。